「世界最古の氷」をめざして 南国宮崎のドリル、南極へ

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佐藤修史
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 日本の南極観測隊が南極の氷を掘るための特殊なドリルを南国・宮崎のバーナー製造会社「九州オリンピア工業」(宮崎県国富町)が開発した。直径12センチ、全長12メートル。マイナス60度の低温にも耐える。1月末、各地から研究者らが同社に集まり、採掘実験をした。観測隊はこのドリルで「世界最古の氷」の採取をめざす。

 南極の氷は太古の水や様々な物質を含み、「地球のタイムカプセル」と呼ばれる。一般的に深いところにある氷ほど古く、採取して分析すれば、過去の気候の様子などが分かる。

 国立極地研究所(東京)によると、観測隊は1990年代の第1期深層掘削計画で、昭和基地から1千キロほど内陸にあるドームふじ基地(標高3810メートル)で深さ2503メートルまで掘削。2000年代の2期計画では3035メートルまで掘り、72万年前の氷柱を取り出すことに成功した。

 今回のドリルは3期計画で使う。極地研の中澤文男助教(雪氷学)によると、レーダー探査で、ドームふじ基地の南にある標高2千~2400メートルの地点に「さほど深くないが、古い氷床」があるとみられ、掘削地を検討しているという。

 九州オリンピア工業は1期からドリルの開発に携わってきた。本業の燃焼器具と直接の関係はないが、他社から請われるかたちで製造に乗りだし、ノウハウを蓄積してきた。今回は同社技術部と製造部の計3人がチームを組み、設計・製造を担った。

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 ドリルは円柱形でアルミ管で…

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