ソフトバンクG、129億円赤字 孫氏「潮目変わった」

有料記事

井上亮
[PR]

 ソフトバンクグループ(SBG)が12日発表した2019年4~12月期決算(国際会計基準)は、売上高が前年同期比1・1%減の7兆898億円、本業のもうけを示す営業損益が129億円の赤字だった。9月中間期(4~9月)には米シェアオフィス「ウィーワーク」の企業価値の急落で155億円の営業損失を計上し、15年ぶりの赤字となったが、その後もファンド事業は苦戦が続き、赤字から抜け出せていない。

 ソフトバンクの携帯電話事業は好調だが、新興企業など約90社に投資する「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」の投資先企業の価値が低迷。ファンド事業の赤字が携帯電話などの黒字を食いつぶしている。

 ファンド事業は9月中間期では約5700億円の営業赤字。この4~12月期は営業赤字が7977億円で、赤字幅がさらに拡大した。ウィーワークの巨額損失や米配車大手ウーバー・テクノロジーズの株価下落が依然として響いている。ウィーワークの立て直しについて孫正義会長兼社長は決算説明会で「いままでの経営にずさんな問題があったが新たな経営陣が新規5カ年計画を策定した」と説明した。

 ファンド事業の赤字は、かつて投資した中国IT大手アリババが補った。アリババの香港市場上場に伴う新株発行などで、純利益は4765億円の黒字を確保できた。それでも前年同期より約7割も減った。

 減収減益という結果だが、孫氏は「保有株式の価値は増えている。SBGは事業会社ではなく投資会社なので、営業利益や売り上げは忘れていい数字だ」などと持論を述べた。

 また、傘下の米携帯電話4位のスプリントと、同3位のTモバイルUSの合併差し止め訴訟で勝訴したことを報告。「大きく前進し、合併の最終段階に入った」と話し、「(業績も)潮目が変わった」と強調した。

ここから続き

■ファンド事業苦戦、株主から…

この記事は有料記事です。残り730文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら