鬼滅の刃、1~18位独占 ジャンプなのに「朝ドラ」

有料記事

加藤勇介
[PR]

 人と鬼の戦いを描く週刊少年ジャンプの連載漫画「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」が、ヒットの枠を超えた社会現象となっている。ベストセラーランキングで「ONE PIECE(ワンピース)」を上回り、ネット上でも圧倒的な話題に。ジャンプ漫画によく言われる「友情・努力・勝利」に代わる優しいキーワードが注目を集める一方、ヒットの王道とはひと味違う異質さも魅力のようだ。

11年ぶりにワンピース抜く

 オリコンの週間コミックランキング(1月27日~2月2日)で、「鬼滅」は1~18巻が1~18位を独占するという史上初の記録を達成した。4日には最新19巻も発売。最新ランキングによると、19巻は週間売り上げ137万部超で、既刊も引き続き上位を独占。集英社によると累計発行部数は4千万部超と、記録的な勢いで伸びている。

 同ランキングでは、2019年の作品別推定年間コミック売り上げでも「鬼滅」が1位に。08年の集計開始から11年連続で1位だった「ONE PIECE」を抜く快挙だった。19年の「ネット流行語100」では、主人公の「竈門炭治郎(かまどたんじろう)」、炭治郎たちが所属する組織の「鬼殺隊(きさつたい)」、強敵の鬼を指す「十二鬼月(じゅうにきづき)」など作品関連用語が25個もランクイン。昨年末のNHK紅白歌合戦ではアニメ主題歌が歌唱されるなど各方面に波及している。

 「鬼滅」は週刊少年ジャンプで16年から連載開始。作者の吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)の初連載作品だ。舞台は、大正時代の人食い鬼が住む世界。炭治郎は人食い鬼に家族を惨殺され、唯一生き残った妹も鬼に変えられた。妹を救うべく、鬼と戦う物語。

少年漫画と言うより朝ドラ

 「優しく救いのある世界観が魅力的」「本屋をはしごしてやっと買えた」「会社の同い年の子に鬼滅の刃見ろ!って言われた」――。ツイッター上では活発な声が飛び交い、グッズやコラボ展開などにも話題が広がっている。

 異例ともいえるヒットの理由は何なのか。

ここから続き

 人気に火が付いたのは、昨年…

この記事は有料記事です。残り1385文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら