「脇役」使う達人だった野村克也さん ぼやきの裏に本音

有料記事野村克也

稲崎航一
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 「(戦力がそろう)巨人の監督をやれたら楽だろうな」。そうぼやきつつ、野村さんの本音は違った。「おれは貧乏性。弱いチームの監督が合っている」

 阪神で3年連続最下位。楽天では最終年こそ2位だったが、あとは最下位、4位、5位。成績は伴わなかったが、頭を使った「弱者の兵法」で相手を苦しめた。

 阪神監督時代の2000年5月、横浜戦の九回。右打者谷繁の場面でマウンドの左腕遠山を一塁に回し、右腕葛西を送る。だが、二塁打を許すと、一塁から遠山が救援し、葛西は一塁手に。遠山が左の石井琢らを抑えると、右の進藤には再び葛西がマウンドへ上がり、三振に仕留めて勝った。野村さんは「抑えがおらんから苦肉の策」と語った。

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 葛西は宮城・東北高時代は…

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