浅草で消えた「ニーハオ」 中国客への依存、思い知った

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 中国からの訪日客に人気だった観光地が、苦境にあえいでいる。かき入れ時の春節に新型肺炎が直撃し、売り上げは激減。人混みを避けて日本人の客足もにぶっている。「いつまで続くのか……」。店主たちの嘆きが渦巻く各地を歩いた。

築地 「売り上げ6割減った」

 祝日の11日。東京・築地場外市場では、観光客が食べ歩きを楽しんでいた。ただ中国語はほとんど聞こえない。いつもは肩が触れ合うほどだが、昼時にもかかわらず、空席が目立つ飲食店も多い。

 「最盛期と比べて、売り上げは6割減。困りました」。そう話すのはアーケード街に店を構える「越前かに職人 甲羅組」の田辺寛店長(39)だ。海鮮バーベキューを味わえるが、全40席のうち埋まっているのは半分ほど。以前は利用者の半分ほどを中国人が占めていた。「花見のシーズンまでには落ち着いてほしい。辛抱あるのみです」

 海鮮丼を提供する別の店は、カウンター席に客が5人ほど。四つあるテーブルは空席だった。女性従業員(62)は「我々は中国からのお客さんに依存しすぎていたのだと思い知らされた」と話した。

浅草 歩きやすくて苦笑い

 浅草寺東京都台東区)の雷門から続く仲見世商店街も、人出はいつもより少なめだ。土産物店「三花」では9日、近藤美代子店長が「歩きやすくてスイスイスイだったでしょ?」と苦笑いした。「普段は『謝謝(シェシェ)』ってお礼することが多いんだけど、今は中国のお客さまは全然来ない」

 創業100年超の菓子店でも売り上げが半減したという。70代の女性経営者は「うちは日本人より中国や韓国のお客様が多いのに、『ニーハオ』って言うことがなくなった……」とうなだれる。

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 雷門にほど近いドラッグスト…

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