がんが教えてくれた「本当の夢」 かなえるため米国へ
黒田壮吉
照明とレーザーが交差するステージで、激しいビートに合わせて体を躍動させる。歌手の久保田利伸さんのツアーで踊り終え、更衣室に戻ると、下着の右胸部分がチョコレート色に染まっていた。病院の診断は乳がん。2015年秋、26歳の時のことだ。
栃木県出身の藤田佳菜子さん(30)。4歳でバレエを始め、ジャズダンスも習った。中1の時、米歌手ビヨンセのライブDVDをみて、衝撃を受けた。「格好いい。こんな舞台で踊ってみたい」。高校生のとき、ストリートダンスにのめり込んだ。
19歳で上京。アルバイトをしながら、オーディションを受けた。3年後の12年春、EXILEのツアーが決まると、各方面から声がかかるようになった。
JUJU、山下智久、SMAP、AKB48。以来、数々の有名アーティストのバックダンサーに。そんな矢先に予想外の告知を受け、自問した。「ダンサーとして日本最高峰の舞台に立った。でも、これが私のゴールだったっけ?」
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2度の摘出手術を経て、思い…
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がんとともに―前へ―
がんになり、戸惑いながらも、身体を動かすことに生きがいを見いだす人たちがいます。あきらめず、前へ進み続ける姿を紹介します。[もっと見る]