アフリカ「バッタ危機」は謎だらけ 食べて解決できる?

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佐藤達弥
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 内戦が続くアフリカ東部のソマリアで、非常事態宣言が出ました。何が非常事態かって、バッタです。数億匹とも言われるサバクトビバッタの大量発生に、人々が苦しめられているのです。なぜ、そんなことになっているのか。農業生物資源研究所(現農業・食品産業技術総合研究機構)の元上級研究員で、この虫の生態を24年間にわたって研究してきた田中誠二さん(67)に聞きました。

 ――年明けから、アフリカでバッタがものすごく増えているそうですね。

 そうなんです。エチオピアとソマリアでは過去25年間で、ケニアでは過去70年間でもっとも多いと言ってもよい規模になっています。風に乗って北上する群れと、南下する群れがあります。北はサウジアラビアイエメン、南はケニアや南スーダンと、被害を受ける国は10カ国を超える勢いです。

 ――どんな被害が?

 こうした地域には野菜や穀物を植えて、自給自足で暮らしている人がたくさんいます。バッタの群れに作物が食い尽くされれば、次の日から食べるものに困ります。国連食糧農業機関(FAO)によると、アフリカでバッタ退治のために殺虫剤をまく対象になった面積は928平方キロ。琵琶湖の1・4倍にあたる広さです。ですが、農作物がやられた被害面積ははるかに広大です。

 ――なぜ、大量発生したのですか。

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 東アフリカは普段は乾燥して…

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