風邪との見分け困難 次の脅威は「軽症者の病院殺到」

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松浦祐子 三上元
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 感染の封じ込めを目的にするよりは、医療体制の維持をめざすことが良い――。感染者の診療にあたる国立国際医療研究センターのグループはこう指摘する。

 新型コロナウイルスの感染は、政府のチャーター便で中国から帰国した人のほか、中国からの旅行者でも見つかり、侵入ルートは複数ある。今後、中国以外の国で感染した人が、水際対策をすり抜けるケースも想定される。知らないうちに感染し、他の人にうつしている可能性は、国内でも否定できない状況だ。

 一方、感染症に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「今のところ、国内の新型ウイルスの発症者は軽症が多いようだ」と指摘する。「発熱やせきといった症状が4、5日続き、回復か悪化かに分かれている」

 京都市内の店で観光客を接客していた20代の中国人男性は、発熱やせきの症状で医療機関を2度受診。しかし、新型ウイルスの感染だとわからないまま肺炎が起き、判明するまでに10日ほどかかった。

 現状ではインフルエンザで用いられるような迅速診断キットがない。感染の確認には、時間やコストのかかるPCRというウイルス検査が必要で、希望する人すべてに行うのは現実的ではない。厚労省の基準では、湖北省への滞在歴や、訪問歴のある人と濃厚接触した人が対象だ。

 東京医科歯科大の瀬戸口靖弘特任教授(呼吸器内科)は「普通のかぜは過去の感染で体に免疫があり、3日程度でピークを過ぎる点で違いがあるが、せきや熱といった初期症状は同じ。見分けることが難しい」と指摘する。

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 しかし、新型ウイルスを心配…

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