医師の警告を「デマ」とした中国政府、死去後は英雄扱い

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北京=冨名腰隆 平井良和
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 中国湖北省武漢市を中心に新型コロナウイルスの感染が広がっている問題で、原因不明の肺炎の存在をいち早く警告し、自らも感染した武漢中心病院の李文亮医師(33)が7日、死去した。警告を初動対応に生かさず、「デマを流した」として李氏を処分した当局の動きに世論が反発。これまでくすぶっていた政府批判が噴き出している。

 眼科医の李氏は勤務先の武漢中心病院で治療にあたっていた1月10日、せきや発熱などの症状が出て、12日に入院、その後、新型コロナウイルスへの感染が確定した。症状は快方に向かっていたが、今月5日に容体が急変したという。

 李氏は昨年12月30日、医師を目指し一緒に学んだ同窓生らでつくるSNSのグループチャットに「7人がSARS(重症急性呼吸器症候群)にかかり、私たちの病院に隔離されている」「ウイルスのタイプを調べている」と投稿。武漢市当局はその翌日、「27人に原因不明の肺炎の症状が出ている」と発表した。

 これを問題視した警察は1月3日に李氏を呼び出し、社会秩序を乱す発言をしたとして訓戒処分とした。国営メディアも「原因不明の肺炎についてデマを流し、8人が摘発された」と繰り返し報道した。

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 しかし、9日になって当局は…

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