白熱の「空き家トリアージ会議」 脱負動産へ佐渡の挑戦

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松浦新
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 人口減と都市部への人口集中で、地方の空き家や空き地が増え続け、多くが、固定資産税や管理費がかかるだけの「負動産」と化している。その所有者が死亡し、相続登記されなければ「所有者不明」に。所有者が分からなければ売り買いもできない「塩漬け物件」へと、どんどんやっかいな存在になっていく。街づくり全体にも悪影響を及ぼす「負動産の連鎖」を断ち切ろうと、動き始めた島の人たちがいる。

北前船 かつての繁栄の面影

 新潟県佐渡島。その中央部に広がる国中平野にある河原田本町商店街は、人影もまばらな、いわゆる「シャッター通り」だ。

 空き家になっている店舗の一つに、許可をもらって入った。表通りの間口は9メートルだが、奥行きは40メートルという「ウナギの寝床」のような細長い土地。中に入ると、柱やはりは太く、2階まで吹き抜けになっていた。奥に向かって細長い土間が延び、京都の町家のような造り。中庭や土蔵まであった。持ち主はいま、東京で暮らす。

 佐渡島は、関門海峡を経由して大阪と蝦夷地を結んでいたかつての「北前船」の航路上にあり、寄港地として栄えた。その繁栄の面影が、この空き家にも残っていた。

 1月20日。この空き家を含む六つの物件をどう再生させるかを検討する会合が開かれ、地元の不動産業者、金融機関や地域おこし関係者らが集まった。

記事後半では、この空き店舗をめぐって島の住民らが白熱した議論を繰り広げます。最後に下された判定とは

 検討の手法は「空き家トリアージ」。いったいどんなやり方なのか。

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 佐渡市は今年度から「空き家…

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