JR西日本、迫る運転士の大量退職 深夜の自動運転試験

古田寛也
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 JR西日本は今月から、大阪環状線で自動運転の走行試験を始めた。試験期間や実用化の時期は未定だが、運転士が乗り込まずに電車を走らせることも視野に入れ、走行性能を確認する。

 JR西によると、走行試験は営業運転終了後の深夜に1編成(8両)の電車を使用。車両と線路脇に設置した装置が電車の位置を検知し、速度を自動で調節する。駅に近づくと、自動ブレーキが作動し、所定の位置に停車するよう設計されている。装置が正常に作動しなかった場合に備えて運転士が運転席に乗り込んで監視する。

 大阪環状線は大半が高架で踏切もない。事故発生の危険性が他路線より低いことから試験対象に選んだ。

 運転士の大量退職が目前に迫っていることが背景にある。JR西では2019年4月時点で、55歳以上の社員が全体の26%を占める。同社は、自動運転が実用化されると運転士の免許を持たない社員らが乗り込んで運行に関わることができ、人手不足に対応できるとみている。(古田寛也)

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鉄道の現場も刻々と変化しています。JR西は運転士のサングラスを春から解禁する予定です。その背景には、宝塚線脱線事故がありました。

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