オゾン層保護に学ぶ温暖化対策、科学に政治が応えるとき
元朝日新聞編集委員・竹内敬二
最近、「おっ」と思ったのは「昨年のオゾンホールの面積は1990年以降で最小だった」というニュース。よくぞここまで来たと思う。
オゾン層の破壊はユニークな環境問題だ。大気中にごく微量含まれるオゾンが減少していたが、噴射剤やエアコンの冷媒に使われていた人工物質のフロン類が破壊する犯人だと分かるまで、未知の化学だった。
この化学反応を解明し、74年に発表した米国のローランド博士(故人)に話を聞いたことがある。「人間の活動が大気圏の状態を変えることを信じてくれなかった」「成層圏の化学反応がそんなに単純なはずはないとの声も強かった」。まあ想像できる反応だ。
素晴らしいのはこの後だ。
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科学に不確かさが残る中でも…
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