広がる感染、パンクする病院 突貫工事も「焼け石に水」

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北京=平井良和 バンコク=乗京真知 上海=宮嶋加菜子
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 新型コロナウイルスによる肺炎が広がっている問題で、中国国家衛生健康委員会は4日、死者が湖北省で前日の集計から64人増え、中国本土で425人に達したと発表した。感染者数は3200人以上増え、2万438人になった。

 一方、タイ保健省は4日、新たに国内で6人の感染が確認され、うち2人が日本への渡航歴のあるタイ人の夫婦だったと発表した。訪日した時期や日本での訪問先、訪日前から感染していた可能性などの詳細は明らかにしていない。

 香港当局は同日、新型肺炎に感染した香港人の男性(39)が死亡したと明らかにした。中国本土以外での死者は、フィリピンに次いで2人目。(北京=平井良和、バンコク=乗京真知

10日で巨大病院建設も「焼け石に水」

 新型コロナウイルスによる肺炎が最初に発生し、猛威を振るう中国・湖北省武漢市。政府は患者の受け入れ態勢の強化を急ぐが、感染者の増加に追いついていないようだ。

 電話取材に応じた市内の女性によると、50代のおじは先月31日に新型肺炎の感染が確認されたが、ベッドが足りず4日になっても入院できないでいる。

 武漢市内の大学に勤める女性も「病院に行くたびに、たくさんの人がいるのを見る」と証言する。

 政府は武漢市で、新型肺炎の患者を専門に受け入れる二つの病院を突貫工事で建設。2日、病床数1千の火神山病院が完成し、5日には1600床の雷神山病院が完成予定だ。

 だが、それすらも「焼け石に水」という現状がある。

 市当局によると、3日夜の時点で新型肺炎の患者を受け入れている病院は28カ所。火神山病院も含め、統計上の病床数は計8199だが、すでに使用されているベッド数は計8279床に上る。廊下やロビーに簡易ベッドを用意して患者を受け入れている病院が複数あり、現場はすでにパンク状態にある。

 一方で感染者の増加は止まらない。

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 3日、武漢市で新たに確認さ…

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