拡大する写真・図版がん経験者向けの講座で、リンパ浮腫のむくみを抑えるために柔軟体操などを指導する広瀬真奈美さん=2020年1月20日午後、東京都渋谷区、池田良撮影

 医療の進歩で生存率が向上するがん。ただ、手術や抗がん剤の治療後に、多くの人が体の痛みや身体機能の低下などに悩んでいる。予防や症状改善にはリハビリが有効とされるが、外来で取り組む病院は少ない。そんな中、インストラクターの資格を取り、運動によるリハビリの普及に取り組む乳がん経験者がいる。4日は世界対がんデー。

拡大する写真・図版がん経験者向けの講座で、リンパ浮腫のむくみを抑えるために柔軟体操などを指導する広瀬真奈美さん=2020年1月20日午後、東京都渋谷区、池田良撮影

 1月下旬の東京・渋谷のスタジオ。がんの手術の影響で腕や足などがむくむリンパ浮腫のケア講座で、インストラクターの広瀬真奈美さん(56)が、6人を前に呼びかけた。「からだが楽になる自分に合った運動を見つけましょう」

 手足の柔軟体操や腕や足を上げ下げする運動などを約90分かけてゆっくり行った。仙台市から来たという卵巣がん経験者の女性(56)は8カ月前から継続的に参加。「下半身にしびれがあったが、少しずつ動かすことで徐々に改善した。悩みを共有できる仲間もできました」と笑顔で語った。

拡大する写真・図版がん経験者向けの講座で、リンパ浮腫のむくみを抑えるために柔軟体操などを指導する広瀬真奈美さん=2020年1月20日午後、東京都渋谷区、池田良撮影

 広瀬さんは2008年、45歳のときに左胸の乳がんを発症。手術後に左腕のしびれや痛みがあり、体が思うように動かなくなった。主治医に治療法を聞いても「治る人もいれば治らない人もいる」と言われた。整形外科でもリハビリを断られ、不安だけが募った。「仕事も子育てもあるのに大丈夫なのか」

 そんなとき、偶然みた雑誌に米…

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