権力集中が裏目に 習近平指導部、新型肺炎の拡大で苦境

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北京=冨名腰隆 高田正幸 北京=福田直之
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 中国で新型コロナウイルスによる肺炎の拡大が止まらず、習近平(シーチンピン)国家主席率いる共産党指導部が厳しい立場に立たされている。指導部は、対応が遅れた武漢市や湖北省政府など地方の問題とし、関係者を大量に処分することで乗り切る構えだ。だが、国民の不満はくすぶる。習氏が進めてきた権力集中が裏目に出た格好だ。

 「あなたが責任者でしょう!」

 1月30日、武漢市に次いで感染者の多い黄岡市で、感染対策を担当する衛生健康委員会の女性主任が党中央の監察チームに詰め寄られる映像が、何度もニュースに流れた。主任は市内病院の収容能力などを把握しておらず、能力不足を指摘され、直ちに解任された。

 監察は、習氏が春節の同25日に党最高指導部の政治局常務委員による会議を開き、「感染予防へ再検討、再配置、再動員せよ」と号令をかけたことで始まった。黄岡市長は2月1日、感染を防げなかったため幹部ら337人の処分を発表。周辺の市や村でも、報告が遅れるなどした幹部の処分が相次いだ。

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 こうした事態に省レベルの幹…

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