孤立化で「中国リスク」再浮上 経済への悪影響どこまで

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豊岡亮 北京=福田直之 ワシントン=香取啓介 ニューヨーク=江渕崇
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 中国・武漢市を中心に広がる新型コロナウイルスによる肺炎を受け、米国が公衆衛生上の緊急事態を宣言した。64の国が中国との間で何らかの入国制限を敷いた。空の便を中心に交通の遮断も広がり、中国の「孤立化」が進む。経済への悪影響は、どこまで広がるのか。

 ロイター通信によると、31日までにアメリカン航空など米大手3社をはじめ各国の30以上の航空会社が中国便の運航停止や一部停止を発表。往来制限の対象は、武漢から中国本土全体に広がりつつある。

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 世界の人口の2割近くを抱え、GDP2位の中国の孤立化が進めば、世界経済に悪影響を及ぼすのは避けられない。人の移動が制限されれば、消費や生産などの停滞が避けられないからだ。

 1月31日のニューヨーク株式市場では主要企業でつくるダウ工業株平均が急反落し、前日比603・41ドル(2・09%)安い2万8256・03ドルと約1カ月ぶりの安値で引けた。下げ幅はほぼ半年ぶりの大きさだ。

 米アップルは9日まで中国全土の直営店を閉じる。トヨタ自動車ホンダを含め、日米欧の自動車メーカーは現地工場の操業再開を延期。複数の日系車部品メーカーは中国外での代替生産の可能性を探る。

 中国政府のシンクタンク・中国社会科学院の研究員は中国の1~3月期の成長率について「(前年比)5・0%以下も排除しない」と予測する。19年10~12月期の6・0%から大幅に落ち込むとの見立てだ。移動の制限が強まれば、先行きの見通しはさらに不透明になる。

 影響が短期間でおさまるかどうかも分からない。

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