英抜きEU、はらむリスク メルケル氏「もうごめんだ」

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ピルゼン=和気真也 パリ=疋田多揚 ベルリン=野島淳 ピルゼン=和気真也 パリ=疋田多揚 ベルリン=野島淳
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 拡大を続けてきた欧州連合(EU)は、5億人の人口と米国に次ぐ経済規模を誇った。英国が抜けることを、より結束を強めるきっかけにできるのか。(ピルゼン=和気真也、パリ=疋田多揚、ベルリン=野島淳

後発加盟国、続く高成長

 流れてくる基板に、従業員が手際よく電子部品を組み付けていく。チェコの首都プラハから約100キロ西にあるピルゼン市のパナソニック工場は、欧州各地で売られるテレビや温水暖房機をつくっている。

 工場が建ったのは1996年。チェコがEUへの加盟交渉を始める2年前だ。東西冷戦の終結後、スロバキアと分かれて独立したチェコは当時、製造業立国を目指し、世界の企業を誘致。パナソニックは欧州の拠点として応じた。

 「ここに来たのはフランス企業に次いで2番目。当時、辺りは野原でした」。地元で採用され、今は現地法人の幹部を務めるラデク・バッハさんは話す。周辺には現在、ダイキン工業などの工場も建ち、チェコ経済の一端を担う。

 チェコは2004年にEUに加盟。「単一市場」の利点を生かし、隣国ドイツから投資を引っ張り、自動車産業を育てた。18年の失業率は2%台とEU内で最低水準。一方で賃金上昇率はEU屈指の高さで、個人消費が景気を支える。財政収支も16年から黒字だ。

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 同じ時期にEUに加盟したポ…

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