ミシュランガイド、盛り上がるのは日本だけ?独特の人気

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植松佳香
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 星の数でレストランを格付けする「ミシュランガイド」の2020年フランス版が発表されました。今年は、日本人シェフの店がフランスで初めて三つ星と評価され、話題になっています。また、フランス料理界の重鎮がシェフを務めていた店が、星を落とすと、評価をめぐって様々な議論が巻き起こりました。本家フランスで「ミシュランガイド」は、非常に影響力が大きいようです。日本でもその知名度、注目度は抜群です。なぜタイヤメーカーによる格付けがこれほどの影響力を持つのでしょうか。外食産業に詳しい元亜細亜大学教授の茂木信太郎さんに話を聞くと、世界でも特に日本に浸透していることや、和食ブームとの関係も見えてきました。

     ◇

 ――ミシュランはフランスのタイヤメーカーですが、そもそもなぜグルメ本を作ったのでしょう?

 初めてミシュランガイドが作られたのは1900年。狙いは、タイヤの消費量を増やすためと考えられます。格付けの1~3の星の意味をご存じですか?

 「三つ星」そのために旅行する価値のある卓越した料理

 「二つ星」遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理

 「一つ星」近くに訪れたら行く価値のある優れた料理

 たくさんの人に遠くまでドライブに行ってもらうことが、タイヤの消費につながるというわけです。当初は宿泊施設などの紹介がメインで、ドライバーに無料で配られていました。1920年から有料になりました。

――なぜこんなにもミシュランガイドの評価に注目が集まるのでしょうか?

 格付け本にはいろいろなものがありますが、ほとんどが戦後からです。ミシュランガイドは1世紀以上の歴史を持っています。実績があり、信頼度が高いというのが一番の要因でしょう。格付けを星の数で表すというスタイルもミシュランが作りました。

 飲食業と関係のないタイヤメーカーが発行しているという点も、公平性の面で信頼度を高めていると思います。匿名調査や審査方法に謎が多いことは、批判につながりかねませんが、その結果が多くの消費者に違和感がないものであるため、逆に信頼を得るのに役立っていると思います。

日本で浸透、なぜ?

――日本では発売されると例年話題になり、星で評価された店は予約が殺到します。注目度は世界共通なのでしょうか?

 フランスは別として、この盛…

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