増える中学受験、埼玉では2千人増 背景に大学入試改革

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宮坂麻子
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 2月1日から、東京と神奈川で、私立中学の入試がスタートする。少子化にもかかわらず、首都圏の中学受験者はこの数年、増加傾向にあり、今年も昨年に引き続き増える見込みだ。2024年度にもう一度大学入試改革があり、大学入学共通テストが変わることも、私立志向に拍車をかけている。

 大学入試改革を見据えて中学入試も多様化が進む。

 清泉女学院中学(神奈川県鎌倉市)は、「アカデミックポテンシャル入試」を2月5日に初めて行う。一つのテーマで貫いた教科横断型の1本の問題を60分で解く。

 サンプル問題のテーマは「共生」。この問題では、外国人労働者などについて朝日新聞の複数の記事の抜粋や、日本の外国籍の人々の統計データ、外国人と共生するためにも有効な「ピクトグラム」(絵文字)など10種類以上の資料を見せて、「なぜ外国人労働者が増加したのか」「外国人と共生するためには」などについて、100~300字で複数の説明や意見を書かせている。

 中学入試・広報部長の瀧康秀教諭(58)は、「大学入学共通テストの本来の狙いである、考える力、表現する力、異なる教科で学んだことを統合する力を測る試験にした。入試改革を見据えてでもあるが、先行きが見えない時代に社会課題を解決し、世の中に少しでも貢献できる人間を育てたいという受験生へのメッセージでもある」と説明する。

 探究力を問うユニークな入試も登場する。山脇学園中学(東京都港区)が2月2日に行う「探究サイエンス入試」。30分間で理科の基礎問題を解いた後、60分間で課題研究を行う。

出題例は「竹とんぼ」

探求力を問う山脇学園中の入試の出題例は「竹とんぼ」でした。首都圏の中学受験者数は、「昨年よりさらに数%増える」との見方もあります。背景を探りました。

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 説明会で紹介された出題例は…

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