第1回「死にたくなかった」息子の声聞こえた 父の無念さ

有料記事大川小、遺族の思い

聞き手・山本逸生
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大川小、遺族の思い:1

 臆病だった息子は、津波の恐怖で立ち上がれなくなっていた。生き残った児童が、そう教えてくれた。東日本大震災で、日本中の人たちが、その名前を知った「大川小学校」。先生たちが守ってくれていると信じた学校で、長男を失った父親が語った。(聞き手・山本逸生)

 大川小学校は、宮城県石巻市の市街地から車で30分ほどの郊外にある。校庭にいた児童73人と教職員10人が、津波の犠牲になった。

 ――今野浩行さんは、小学校6年だった長男の大輔君を亡くされましたね。

 震災後、大川小での出来事が、学校現場で悲劇を繰り返さないための「教訓」になったと言われるようになりました。でも、大輔には「教訓」になんてなって欲しくなかった。俺は、学校防災のために、子どもを生んだわけではありません。周りを蹴散らしてでも、人の頭を踏みつけてでも、息子には生きていて欲しかったです。

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 ――学校の責任を追及し、2…

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