駅伝で勢い止まらぬ学法石川 スピード選手育つ秘訣は

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酒瀬川亮介
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 男子の長距離界でここ数年、福島県の学法石川高の存在感が増している。高校駅伝で上位に食い込むだけでなく、卒業後も箱根駅伝など大学で活躍する選手が多く輩出している。松田和宏監督の指導のもと、スピードランナーが育つことで名前が浸透。通称「ガクセキ」。一大勢力になる勢いだ。

 今年の箱根駅伝で最大のスター選手だった相沢晃東洋大)もガクセキ出身だ。エースが集まる花の2区で初めて1時間5分台に突入する区間新を出した。さらに7区で区間新の阿部弘輝(明大)も含め、出場20校で走った選手200人のうち、7人が卒業生だった。これは出身高校別で見ると、浜松日体(静岡)と並ぶ1位タイだ。

 学校がある石川町は、人口1万6千人ほどの小さな町だ。最寄りのJR水郡線・磐城石川駅は夕方になると自動券売機が使えなくなる。昨年12月の全国高校駅伝前に訪れると、商店街は小さな古い個人商店ばかり。高校駅伝での活躍を応援するポスターが店頭などあちこちに貼られていた。

 11年前、山形県出身の松田監督がここに来たのはまったくの偶然だった。東洋大で陸上部員の不祥事があり、責任を取って川島伸次監督が2008年末に辞任。後任に学法石川で監督をしていた酒井俊幸氏が決まった。酒井氏が「自分の後に」と頼み込んだのが松田氏だった。

 中大時代に4年連続で箱根の2区を走り、佐川急便時代にはベルリンマラソンで2時間9分台を出した。「サブテンランナー」の高校指導者は極めて珍しい。

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 ロードは強かったが、トラッ…

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