選手に「車いすのポルシェを」 かっこよさ追求する職人
どうやったら乗りやすく、かっこいい車いすになるのか。
そんなことを考えながら、マウスを動かし線を引く。パソコンの画面に少しずつ図面ができあがっていった。
千葉市若葉区の車いすメーカー「オーエックスエンジニアリング」。日常用に加え、約20の国・地域の陸上やテニスの競技用も手がけている。過去8回のパラリンピックで計122個のメダル獲得に貢献。その動きやすさ、デザインの美しさから「車いす界のポルシェ」とも呼ばれる。
そこで約20年間、製図を担当するのが在原俊洋(としひろ)さん(47)=市原市。自らも車いすの利用者だ。
商品は全て注文を受けてから作るオーダーメイド。「同じ障害、同じ体はこの世に一つとしてない。お客さんの要望にできるだけこたえていきたい」。図面を描いて、製品化できるのかシミュレーションし、工場との橋渡しをする。それが仕事だ。
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バイクが好きだった。運転免許を取ったばかりの16歳の時、車との接触事故で脊髄(せきずい)を損傷。病院で目を覚ますと、下半身の感覚がなかった。「どうやって生きていけばいいんだ」。生活は一変。目標もなく、リハビリをするだけの日々になった。
排便や排尿は自分の意思でで…
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