選手に「車いすのポルシェを」 かっこよさ追求する職人

有料記事

小木雄太
[PR]

 どうやったら乗りやすく、かっこいい車いすになるのか。

 そんなことを考えながら、マウスを動かし線を引く。パソコンの画面に少しずつ図面ができあがっていった。

 千葉市若葉区の車いすメーカー「オーエックスエンジニアリング」。日常用に加え、約20の国・地域の陸上やテニスの競技用も手がけている。過去8回のパラリンピックで計122個のメダル獲得に貢献。その動きやすさ、デザインの美しさから「車いす界のポルシェ」とも呼ばれる。

 そこで約20年間、製図を担当するのが在原俊洋(としひろ)さん(47)=市原市。自らも車いすの利用者だ。

 商品は全て注文を受けてから作るオーダーメイド。「同じ障害、同じ体はこの世に一つとしてない。お客さんの要望にできるだけこたえていきたい」。図面を描いて、製品化できるのかシミュレーションし、工場との橋渡しをする。それが仕事だ。

     ◇

 バイクが好きだった。運転免許を取ったばかりの16歳の時、車との接触事故で脊髄(せきずい)を損傷。病院で目を覚ますと、下半身の感覚がなかった。「どうやって生きていけばいいんだ」。生活は一変。目標もなく、リハビリをするだけの日々になった。

ここから続き

 排便や排尿は自分の意思でで…

この記事は有料記事です。残り1214文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら