集団的自衛権の行使容認が「分水嶺」 駐日米代理大使

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編集委員・佐藤武嗣 聞き手・佐藤武嗣
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 米国のジョセフ・ヤング駐日臨時代理大使は27日、大使公邸で朝日新聞のインタビューに応じた。来年3月で期限切れとなる米軍駐留経費負担(HNS)の更新に向けた交渉について、アジア地域の安全保障環境の変化を踏まえて「公平な責任の分担を求める」と述べ、日本に負担の増額を求める考えを示した。

 HNSについて日本側の負担を定めた日米の特別協定は、5年ごとに結ばれてきた。ヤング氏は次期協定に向けた交渉に関し、日本に対する具体的な要求水準への言及は避けつつ、「地域の安全保障環境はさらに複雑になっており、日米が互いに、より多くのことをしなければならないと認識していると思う」と強調した。

Joseph Young 米太平洋軍外交政策次席顧問、国務省日本部長、駐日米大使館首席公使などを経て、19年7月から駐日米臨時代理大使。

 トランプ大統領は18日、現在の日米安保条約締結60周年に向けた声明で「我々の相互安全保障への日本の貢献が、今後拡大し続けると確信している」と述べた。この意図について、ヤング氏は「日米同盟を高めるためにも、互いに貢献する様々な方法を検討しなければならない。その方法は複数ある」と説明した。

 日米安保条約は日本国憲法を踏まえ、米国が「矛」として日本防衛のための打撃力を提供する一方、日本が専守防衛の「盾」に徹するとされる。これに関し、ヤング氏は、2015年に集団的自衛権行使を一部容認した安全保障法制などが「分水嶺(ぶんすいれい)となった」と指摘。「我々は既にこうしたモデルより先に進みつつある」と述べたうえで、日本が中東海域への自衛隊派遣を決めたことなどにも反映されているとした。(編集委員・佐藤武嗣

ヤング氏の考える日米同盟とは。インタビューの一問一答も。

〈Joseph Young〉米太平洋軍外交政策次席顧問、国務省日本部長、駐日米大使館首席公使などを経て、19年7月から駐日米臨時代理大使。

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■「交渉を始めるまでまだ数カ…

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