広大過疎の宿命背負う北海道電 「原発頼み」に限界

有料記事経済インサイド

長崎潤一郎
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経済インサイド・特別編

 2018年9月、北海道全域で295万戸が最長2日間にわたり停電した国内初のブラックアウト。その一因に、原子力発電所頼みだった北海道電力の経営があります。地震当時に稼働していなかった原発が、ブラックアウトとどのようにかかわっているのでしょうか? 連載企画の4回目では、北海道電力の歴史から解き明かします。

原子力のエース、元社長の胸中

 2019年12月中旬、札幌市中央区の北海道電力本店3階の役員応接室に、濃紺の背広に身を包んだ白髪の男性が姿を見せた。

 近藤龍夫元社長(74)。04年から8年間にわたり北海道電力の社長、会長をつとめた。04年から14年に国の原子力委員長だった近藤駿介氏(77)の実弟でもある。原子力部門のエースとして、原発を経営の中心に据える北電の現在を築いたとも言える実力者は、18年9月の全域停電(ブラックアウト)をどう受け止めているのか。

 「かつて北海道電力という会社の経営に携わった者として、道民の皆さんに多大なご迷惑をおかけした気持ちでいっぱいです。苦労をかけてしまった、申し訳ないな、と。会社をあげて再発防止に万全を期すべきだと思っています」

 「私自身、地震当時は札幌市内の自宅マンションにいました。5階に住んでいますが、マンションが崩れると思うほどの大きな揺れで、まもなく電気が消えた。外を見ると真っ暗で、ブラックアウトだなと思った」

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 ブラックアウトは、道内最大…

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