感染力、弱いと言われてきたが…新型ウイルス「変異」か

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益満雄一郎=広州 大岩ゆり 編集委員・田村建二 ワシントン=園田耕司 パリ=疋田多揚 シドニー=小暮哲夫 小野甲太郎 太田成美
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 これまで比較的弱いと言われてきた新型コロナウイルスの感染力が強まっているという。中国当局が26日、明らかにした。症状が軽い人が多く、感染に気づかずに広がっている可能性があるという。

感染初期は軽い症状

 中国政府の国家衛生健康委員会の馬暁偉主任は26日の会見で、「ウイルスの感染力が増している傾向がある」と述べた。ただ、その根拠は示さなかった。また、「感染初期は症状が軽くて隠れた感染者が多くおり、防疫が難しい」とした。馬氏によると、潜伏期間は10日ほどで、最短で1日、最長14日間。感染源は特定されていないという。

 河岡義裕・東京大医科学研究所教授(ウイルス学)は「ウイルスがすでに人から人へと感染しやすいよう変異していると考えられる」。さらに、「症状が軽い患者は動き回ることができるので、それだけ他の人に広める機会は増えるだろう。感染を完全に防ぐのは不可能だ」と話す。

 大阪健康安全基盤研究所の奥野良信理事長(ウイルス学)は「新型ウイルスに感染していてもはっきりした症状が出ないまま、ウイルスを排出している人もいる可能性がある。そんな人がたくさんいれば、感染が重症急性呼吸器症候群(SARS)以上に広がっていてもおかしくない」と話す。SARS出現前のコロナウイルスは、風邪などの原因となるありふれたウイルスと考えられていた。今回の新型ウイルスもより広まりやすいように変異することもあり得るという。

 東北大の賀来満夫名誉教授(感染制御学)は「SARSでも、はっきりした症状が出ない患者がいた」と話す。また、SARSでは下痢などの症状が出ることがあり、「新型肺炎でも消化器症状はありうる。下痢をした後にきちんと手洗いをしないと感染を広げてしまう」と話す。

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 国家衛生健康委員会によると…

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