「遺伝子」や「ゲノム」がキーワードとなる検査は、「私、がんになるの?」で紹介した女性たちが受けた検査以外にもある。唾液(だえき)で特定の病気のなりやすさや体質がわかる、市販の検査などだ。違いを理解せず、混同している人もいるという。どのような違いがあるのか。
市販の遺伝子検査、使えるの?
遺伝性のがんを調べるには、血液を使い、リンパ球と呼ばれる細胞を検査する。「生殖細胞系列」と言われる、人が生まれつき持っている遺伝子の塩基配列の違いをみる。今回のシリーズで紹介した遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の場合、原因とされるBRCA1、BRCA2遺伝子に変異があるかどうかを調べるものだ。
結果は、家族や子孫にも共通する遺伝子の変異がある可能性がある。主治医らが家族の病歴などを聞き、遺伝性腫瘍(しゅよう)など遺伝性の病気が疑われると判断した人が受ける。遺伝カウンセリングを受けるなどして、検査や結果の意味を十分理解してもらう必要がある。
どのような治療が適しているのか、遺伝子変異に対応した治療法を探すために検査を受ける場合は、公的医療保険が適用になる。一方、がんになっていない人が家族の病歴などを理由に、検査を受けることも可能だが、その場合は全額自己負担となる。
BRCA1、BRCA2を調べると、10万~20万円程度の費用がかかる。
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