教え子に伝わる中村医師の志「他人の幸せのために働く」

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佐々木亮
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アフガニスタン人道支援に取り組み、昨年12月に現地の武装集団に殺害されたNGO「ペシャワール会」(福岡市)現地代表、中村哲(てつ)医師(享年73)のお別れ会が25日、福岡市の西南学院大学で開かれた。多くの人が集まり、中村さんの死を改めて悼んだ。

後輩医師が見た中村さん

 1997年から2001年まで中村さんのもとで医療支援に携わった医師の小林晃さん(56)は、鹿児島県徳之島町からお別れ会に駆けつけた。会場で中村さんの足跡をたどる映像が流れると、医療支援の様子や一緒に働いた仲間の姿を懐かしげに見入った。

 医学生時代、先輩医師から中村さんの話を聞いた。大学卒業を前にパキスタンを旅した際、中村さんが当時拠点としていたペシャワルを訪ねた。中村さんの案内でハンセン病病棟を見学。「日本から来た」と言うと大歓迎されたという。患者たちに慕われる中村さんの姿を見て、「いつかこんな場所で医療に携わりたい」と思った。

 国内での病院勤務を経て、ペシャワール会から現地に派遣された。中村さんはバザールの喧噪(けんそう)や荒っぽい人情を挙げ、「『困っている人を助けなければ』という崇高な気持ちだけではだめ。このような土地、風土、人間が好きな人が長続きする」と語っていた。

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 病院のスタッフは小林さんら…

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