「官邸近ければ優遇か」案里氏に1.5億円、自民内反発

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鬼原民幸 西村圭史
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 自民党河井案里参院議員(広島選挙区)の陣営が昨年7月の参院選で、党本部から1億5千万円の資金を受け取った問題で、党内に疑問や反発の声が広がっている。安倍晋三首相菅義偉官房長官の全面支援を受けただけに、過度な優遇があったとの恨み節も漏れ、批判の矛先が首相官邸に向かい始めている。

 案里氏は23日、自身と夫で前法相の克行氏(衆院広島3区)がそれぞれ代表を務める党支部が党本部から計1億5千万円の資金を受領したと同日発売の週刊文春が報じたことを記者団に問われ、「私の政治資金収支報告書でしっかり記載する。不正はない」と述べ、受領を認めた。

 複数の参院議員によると、昨年の参院選で党本部が候補者に提供した資金は、同じ広島選挙区で公認された岸田派重鎮の溝手顕正・元防災担当相らを含め1500万円ほど。相場の10倍の資金を案里氏が受け取っていた計算になる。しかも現職だった溝手氏と確執があった安倍首相が、菅官房長官らとともに案里氏を擁立して全面支援。結果は溝手氏が次点で敗れ、案里氏が当選した。

 おさまらないのは岸田派だ。「ポスト安倍」をうかがう岸田文雄政調会長は地元広島で溝手氏が落選し、1人区でも同派所属の現職が落選したことで、政治的にダメージを受けた。岸田派中堅の衆院議員は「溝手さんの10倍。党のカネの使い方としていいのか」と憤る。別の衆院議員は「不公平だ。接戦で負けた他の1人区でなぜ使わなかったのか」と指摘した。

記事の後半では、昨年7月の参院選広島選挙区をめぐる複雑な構図をわかりやすくご覧いただけます。

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 批判の声は他派閥にも広がる…

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