おしん役の小林綾子さんに聞く 国民的子役の重圧と五輪

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聞き手・田中ゑれ奈
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 日本のドラマ史上最高の平均視聴率52・6%をたたき出したNHK連続テレビ小説「おしん」が、昨年4月からBSプレミアムで再放送されています。おしんを演じる役者も子供時代の小林綾子さん、田中裕子さんから、乙羽信子さん(1924~94年)に替わり、1年放送の連ドラも終盤に。1983年度の初回放送時は見ていない若い世代にもハマる人が続出しています。現在は、1週間分の放送をまとめてみているという小林さんは今、作品をどうみているのか。一方、どこにいっても人に囲まれるようになった当時、どんな思いで過ごしていたのか、「国民的子役」の重圧はなかったのか。撮影秘話も含めて聞きました。

 ――「おしん」で国民的スターになりました。

 「当時10歳、小学校4年生でした。5歳ごろから仕事はしていたけど、そんな大役、まして主役は初めて。『せりふだけはしっかり覚えてきてください』と言われて、1週間分で2センチ近くある台本を計6冊、母と二人三脚で覚える作業からスタートしました。撮影は朝から晩まで出ずっぱり。大変だったけど、子どもなので『うまくやらなきゃ』というプレッシャーは全然なかった。だからこそ、ナチュラルな一生懸命さが画面を通して伝わったのかも。この子が何とか最後までできるようにと、周りの皆さんが気にかけてくれて。(母親役の)泉ピン子さんには、本当のお母さんのように演技指導もしていただきました」

 「80人以上のスタッフとキャストに迷惑がかからないよう、私をサポートしていた母の方がプレッシャーは大きかったと思う。体調管理も母の仕事で、私が嫌いな野菜を食べられるように、いつもドレッシングをかばんにしのばせていた。撮影が終わってから『こんなに大変と分かっていたらお受けしなかったかもしれない』と言っていたこともありました」

 ――おしんが親元を離れて奉公に出るため、最上川をいかだで下るシーンが日本中の涙を誘いました。

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 「最初に撮影したシーンでし…

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