「名前」をめぐる物語を描いた連載「なまえのはなし」。各地を訪ねた取材で、少子化などで名乗る人がいなくなる「姓」がある一方、価値観と同様に「名」が多様化している現状が浮かび上がってきた。
昨年11月、向かったのは「姓」の集まる場所だった。福岡市東区の「はんのひでしま」。10万種以上のはんこを扱い、日本一の品ぞろえといわれる。
「『五百島(いおじま)』はありますか」。社員旅行の合間に訪れた北海道東神楽町の五百島智(さとる)さん(46)が店主に尋ねた。だがこの店でさえ、なかった。「ここならあると思ったんですが。やっぱり少ないのかな」
15年ほど前、祖父からもらった家系図で五百島姓がなくなりかけていると知り、ほかにも同姓の人がいないか調べ始めた。7年前、フェイスブックで検索すると、五百島拓也さん(28)が遠縁とわかった。
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昨年12月、智さんは北海道…
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