首相主催の「桜を見る会」をめぐり、菅義偉官房長官は22日午前の記者会見で、首相の推薦者数などの内訳を再調査する考えがないことを明らかにした。政府がこれまで廃棄済みと説明してきた資料などが新たに見つかったことを受け、記者から再調査の必要性を問われて答えた。
内閣府は21日、参院予算委員会の与野党筆頭理事に対し、廃棄済みとしてきた2011~13年の会場設営資料とあわせ、14~19年の招待者数の大まかな内訳を記した文書を提示した。それによると19年の招待者数は計1万5420人で、「各界功績者(総理大臣等)」は8894人と記されていた。首相推薦など「政治家枠」を含む数字とみられるが、資料からはさらに詳しい内訳は分からない。
菅氏は昨年11月の衆院内閣委員会で、各省庁の推薦者を除いた昨年の推薦者「9千人程度」の内訳について、①首相1千人程度②副総理・官房長官・官房副長官1千人程度③自民党関係者約6千人④国際貢献や芸術文化等の特別招待者・報道関係者・公明党関係者・元国会議員など1千人程度――と答弁していた。④のうち「公明党関係者」以外は今回見つかった資料に人数の記載があり、合計すると954人。この分を差し引くと8千人程度となり、今回の資料にある「各界功績者(総理大臣等)」の8894人とは千人近くの「ズレ」が生じている。
もともと菅氏の答弁は「名簿がない中で官房長官が事務方に聞き取りをしてまとめた概数」(大西証史内閣審議官)だったため、22日の会見では記者がこうしたズレを指摘し、「正しく数字を公表した方がいいのではないか」と質問した。
だが、菅氏は「そんなに大きく変わっていない」と強調。再調査を否定したうえで、「極めて事務的な資料で、年によってどのような分け方をしているのか詳細は承知していない」と述べた。
過去の桜を見る会の公文書の…
【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら