男子校で腕磨く女子レスラー 最重量級の星「慣れっこ」

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金子智彦
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 複数のメディアが選手を取り囲んで話を聞くことを「囲み取材」と言う。記者会見ほど堅苦しくなく、記者にとっては、選手の思いやエピソードを短時間で聞き出す貴重な機会だ。

 昨年8月、レスリング世界選手権前の公開練習。ペン記者が待つ輪の中に、日本協会の広報担当者が一番最初に連れてきたのが、女子76キロ級の皆川博恵クリナップ)だった。

 選手によっては10分以上になることもある囲み取材。しかし、私を含めた記者からの質問が少なく、6分弱で終わってしまった。「他の子がみんな資格(五輪代表内定)を取って、私だけ取れないというのは避けたい」。か細い声で話す姿が印象に残った。

 女子レスリングが「お家芸」と呼ばれる地位を築いたのは軽、中量級の活躍によるところが大きい。皆川が戦う最重量級は、浜口京子がアテネ、北京両五輪で銅メダルを獲得した後は苦戦している。正直に告白すると、皆川への関心は相対的に低かった。

 五輪をめざす選手に失礼な態度だったと思う。そんな後悔を抱いていたから、皆川が世界選手権で銀メダルを獲得し、五輪代表をつかんだときはうれしかった。最重量級での決勝進出は2006年の浜口以来13年ぶり。「これまでのレスリング人生色々あったんですけど、苦しいことにも耐えてきたのでよかった」

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