「秘境路線」の福島・只見線 災害からの復旧へ苦闘

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戸松康雄
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 2011年の豪雨災害で一部区間が不通になり、21年度中の復旧に向けて工事が進むJR只見線。福島県は青森、秋田両県の海岸線を走る五能線のような観光路線化を目指して、誘客策に取り組んでいる。乗客倍増が目標だが、実際の数字は伸びておらず、前途は険しい上り坂が続く。

 福島県が復旧工事の着工を前に18年3月にまとめた「只見線利活用計画」では、不通区間の会津川口―只見間(27・6キロ)の平均通過人員(1日1キロあたりの利用者数)を22年度に100人にすることが目標値として掲げられた。

 災害前の10年度は49人。現在は代行バスが走るが、18年度までの3年間は「37→30→28」と減少が続く。JR東日本仙台支社の坂井究支社長は「復旧直後だとブームが起きて、一時的に目標を達成できるかもしれないが、長続きさせることは容易でない。底上げに向け、長い目で検討しなければならない」と話す。

 福島県の利活用計画の柱のひ…

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