25年前、阪神・淡路大震災を中学2年で体験した脚本家が、被災地で心のケアに奔走した精神科医、安(あん)克昌(かつまさ)さんをモデルにテレビの連続ドラマを執筆した。「あの日、何も言葉にできなかった」。25年封じ込めてきた記憶と向き合い、書き上げた。
京都市在住の桑原亮子さん(39)。小学校高学年から聴力が落ち、20歳のころには両耳とも聞こえなくなった。その後、詩や童話の投稿雑誌に出会い、創作を始めた。シナリオも学び、2017年度の文化庁芸術祭賞で優秀賞となったラジオドラマ「冬の曳航(えいこう)」などで注目された。
兵庫県西宮市で被災。当時、市内の祖母宅に下宿し、地元の私立中学に通っていた。けがはなく、余震の中、実家のある京都市に避難した。春、西宮に戻ったが、無事だったことが後ろめたかった。聴力は原因不明のまま落ちていった。気がつけば、あの揺れの記憶に封をしていた。
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