4歳で家族失った私 震災後、支えられた周囲のぬくもり

有料記事阪神・淡路大震災

青瀬健 太田康夫 笹山大志 西岡臣
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 6434人が亡くなった阪神・淡路大震災は、17日で発生から25年となった。震災で両親と兄を失った男性は独りぼっちになったが、その成長を支えたのは周囲の人たちだった。

 神戸市で暮らす大野成郎(しげお)さん(29)は17日昼過ぎ、同市西区の墓地を訪れた。墓前で手を合わせ、報告した。「仕事が忙しくてなかなか来られなかったけれど、元気でやっているよ」

 震災当時は4歳だった。あの日の早朝、神戸市長田区の自宅2階で目覚めると、真っ暗で動けなかった。泣いても、何も起きない。長い時間が過ぎて、気づいたら病院にいた。

 30代だった父親の亨一(りょういち)さんと母親の和代さん、幼かった兄の成紀(しげき)さんは、壊れた自宅の下敷きになるなどして命を落とした。4人家族でただ1人、残された。

 大阪の親戚宅に一時身を寄せ、その後、神戸市長田区に住む祖母の文福汝(ぶんふくじょ)さんに引き取られた。ある夏の日には、七夕飾りの短冊に書いた。

 「家族が生き返りますように」

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 兄は優等生だった。兄弟2人…

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