中東派遣、初の実質審議 野党から批判噴出、現場も懸念

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山下龍一 伊藤嘉孝
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 中東海域への自衛隊派遣をめぐる、国会の閉会中審査が17日、衆参両院の委員会で行われた。昨年12月に閣議決定し、海自の哨戒機が活動に向けてすでに出国しているが、国会での実質審議は今回が初めて。野党を中心に政府の姿勢に批判が噴出し、派遣の意義や自衛隊員の安全確保についても改めて疑問や懸念が相次いだ。

 「国会の議論を非常に軽視しているのではないか」。17日午前の衆院安全保障委員会立憲民主党本多平直氏は、河野太郎防衛相にこう詰め寄った。

 この日、衆参の委員会で茂木敏充外相も出席して計5時間、派遣をめぐる質疑が行われた。日本関係船舶の安全確保のための情報収集を目的として、政府が中東海域への派遣検討を表明したのは昨年10月。昨秋からの臨時国会では、「内容は検討中」として詳しい説明を避け続け、派遣を閣議決定したのは閉会後の12月27日だった。

 すでに空からの情報収集にあたる海自のP3C哨戒機2機は今月11日に出国。20日から活動を始める予定だが、今回が国会での初めての実質審議となる。委員会では「国会軽視」などとの批判が相次ぎ、河野氏は「今回の閉会中審査をはじめ、しっかりと説明をしてまいりたい」と釈明した。

 さらに、防衛省設置法に基づく「調査・研究」を法的根拠とする今回の派遣に改めて疑問が噴出した。

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 政府は、不測の事態になれば…

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