「最愛の人奪われ、怒り」 やまゆり園遺族の調書を朗読

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 相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」の殺傷事件で、殺人などの罪に問われた植松聖被告(29)に対する横浜地裁の裁判員裁判は、15日に第3回公判が開かれた。犠牲者19人のうち12人について、親やきょうだいの供述調書が朗読された。その一部を紹介する。

「入所させなければ」母親、後悔の念

 甲Kさん(当時41歳、男性)の母 私たちの初めての子。ダウン症で、3歳までしか生きられないと言われた。幼くして亡くなると思うと不安で仕方がなかったが「一緒に頑張ろう」と思った。

 3歳の誕生日。生きていてくれたことがうれしく、みんなでお祝いをした。

 話す言葉は「はい」「うん」「ごめんなさい」など短いもの。でも聞く言葉は多少理解でき、頼んだものを取ってきてくれることもあった。洗濯物を干していると物干しざおを準備し、私を気遣ってくれた。

 毎週日曜日は夫と3人で買い物に行った。私が夫がいないところで誘うと応じず、夫がそろってから準備を始めた。家族の大切さを感じているようだった。

 ドラゴンボールが好き。必殺技のかめはめ波のまねをして私たちを笑わせた。

 年を重ねて体力が落ち、ぜんそくで通院した。せき込む音を聞くと「短命」という言葉を思い出し、本当に心配になった。

 5日間の短期入所中に事件にあった。入所させなければよかったと後悔した。

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 孫から「おっちゃんいつ帰っ…

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