弘前市に「空想」の地下鉄路線図 大学生が考案、話題に

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板倉大地
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 もしも青森県弘前市に地下鉄があったら……。弘前大学の学生がそんな空想をもとに作った地下鉄路線図が、ネット上で話題を呼んでいる。地下鉄のない青森で、利便性や地域の発展を考慮しながら思い描いた路線図とは。

 弘前大4年の沢田誠さん(22)は今月12日、自身のツイッター(@_39ML_)で1枚の路線図を投稿した。

 「弘前市営地下鉄をつくりました」。路線図には、実際には存在しない「岩木線」など6路線が敷かれ、4路線が交差する「中央弘前」駅など101の駅が配されている。投稿を見た人たちからは、「うちの近くにもほしい」「都会に見える」といったコメントが寄せられた。

 沢田さんは埼玉県に住んでいた小学生の頃から、趣味で全国各地の空想の路線図を描いてきたという。その数、月に3枚ペース。古い路線図などを見ながら、「ここをつなげたら便利だろうな」と考えながら描いているという。

 今回の路線図は、大学1年のときに作った下書きをもとに6時間ほどかけて作った。「(下書きを作った)3年前は弘前の実情を知らずに描いた」。弘前に住み始めて4年目、学生生活を通して気づいたことを加味して完成させた。

 学生が多く住む「桔梗野」と「弘大前」を結び、移動時間を短縮。24時間営業のスーパーがある「安原」へは「南北線」で3駅だ。運動施設やスキー場のある「総合公園」や「百沢」と人口密集地を結ぶ工夫も施した。「雪が降れば自転車移動は厳しい。地下鉄があれば便利だと思う」

 好きなゲームキャラクターと同じ名前の駅に2路線を走らせるなど遊び心ものぞかせているが、路線図からうかがえるのは、沢田さんが「第2の故郷」だと話す弘前への思いだ。

 「人口流出を考えると、街は厳しい状況だ」。描かれた「駅」のほとんどは、実際に訪れた地域。街の中心部からあまり離れていないのに人が少なく、「地下鉄が走ったら発展するのでは」という期待をこめて駅にした場所もあるという。

 沢田さんは日頃から、「使う人がいなくなれば、路線はなくなってしまうから」と、移動はなるべく車やタクシーを使わず、バスや鉄道を利用するよう心がけているという。

 「弘前市にはいつまでもにぎわっていてほしい」。弘前市の未来への思いを、架空の路線図に託している。

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