覚醒剤、練り込む手口が横行 サンダル素材から粉末検出

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比留間陽介
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 昨年6月、名古屋税関の検査場に、トルコからの国際郵便物が届いた。送り先は名古屋市内のマンションの一室。宛名は書かれていなかった。

 税関では、トルコからの薬物密輸事件を摘発した前例があった。不審に思った名古屋税関職員が段ボール箱の中を確認すると、黒色の女性用サンダル1足が包装されずに入っていた。縫製は雑で、ブランド品ではなかった。

 「海外から送るなら、もっと高級な物を丁寧に発送するのでは」

 サンダルを手にしたのは女性の検査員。市販されている一般のサンダルより少しだけ重いと感じた。

 検査の結果、サンダルの表面から薬物反応があった。令状を取ってサンダルを切断すると、ヒール部分のプラスチック素材に白い斑点のようなものが見つかった。特殊な薬品を使って覚醒剤の溶液とプラスチックに分解した結果、約130グラムの覚醒剤の粉末が検出された。女性検査員が感じた「違和感」の正体は覚醒剤の重さだった。

「初めてみた手口」驚く捜査関係者

 税関から通報を受けた愛知県警は昨年6~8月、国際郵便物が郵便局留めになったように見せかけ、受け取りにやって来た日本人の男2人を覚醒剤取締法違反(営利目的輸入)などの疑いで逮捕した。2人は同法違反で起訴されている。

 長年、薬物捜査に携わる捜査関係者は「初めて見た手口で、ここまで巧妙化しているのには驚いた。密輸が成功していたら、同じ手口で大量に密輸し続けるつもりだったのでは」と危機感を募らせる。

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 今回の手口は、「練り込み」…

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