「60代が最若手」 自治会高齢化、防災の意識どう継承

有料記事阪神・淡路大震災

千種辰弥
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 大災害が相次ぎ、必要性が増す自主防災組織。朝日新聞の自治体アンケートでは、災害時に十分な活動ができないおそれがあることがわかった。組織の高齢化も進んでいる。阪神・淡路大震災で被災した神戸も例外ではない。課題が「数の増加」から「質の向上」に移る中、国は活性化を目指し、対策を検討している。

 震災の復興住宅が立ち並ぶ神戸市中央区のHAT神戸・脇の浜地区。この地区の自主防は自治会や婦人会が集まる「ふれあいのまちづくり協議会(ふれまち協)」の防災部会で、人口は約2700世帯だ。

60代が最若手「あんたしかおらん」

 防災部長の須藤雅樹さん(62)は、長年務めた前任者が亡くなったため、2年前に役を引き継いだ。役員は10人ほどいるが、須藤さんが最若手。「あんたしかおらん」と任された。

 復興住宅では高齢化が進み、棟ごとに作る自治会がなくなったところもある。県道を挟んだ地区の南側には民間の分譲マンションがあり、子育て世代が多いが、交流はあまりない。

 そのため、須藤さんが防災部長になって以降、毎年行っていた地区独自の防災訓練ができなくなった。

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