パキスタンで軍事独裁体制を敷き、民政移管後に国家反逆罪に問われたムシャラフ元大統領(76)の控訴審判決が13日、同国東部ラホールの高等裁判所であった。高裁は一審の死刑判決を破棄した。判断が揺れた背景には、裁判を巡る軍や司法の権力争いがある。
一審の特別法廷は昨年12月の判決で、ムシャラフ氏が軍トップと大統領を兼務していた2007年、批判を抑えるために非常事態宣言を出し憲法の効力を止めたのは国家反逆罪にあたると判断。軍トップ経験者に初めて判決を下した。
これに対し控訴審判決は、特別法廷の設置手続きに不備があったとして一審判決を破棄。訴追から6年続いた裁判は、振り出しに戻った。
裁判が紛糾しているのは幹部が裁判で罰せられる前例を作りたくない軍と、文民政権、最高裁が主導権争いをしているためだ。
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ムシャラフ氏の裁判を巡って…
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