イラン司令官が束ねた「代理勢力」 報復合戦、泥沼化?

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ドバイ=高野裕介 テヘラン=杉崎慎弥 ワシントン=渡辺丘
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 米国とイランの対立の火種が、イラクでくすぶり続けている。双方は全面対決を避けたいが、イランが築き上げた「代理勢力」を完全に制御できるとは限らず、突発的な攻撃が緊張につながる可能性もある。トランプ米政権の対イラン戦略も見えず、先行きに不安がつきまとう。

 「今度は我々が報復する時だ。イランの攻撃を上回るものになると約束する」

 イランが8日にイラク国内の米軍の拠点をミサイル攻撃すると、イラクメディアは親イラン武装組織の幹部の警告を伝えた。

 イラクでは、イスラム教シーア派を中心とする武装組織の集合体「人民動員隊」(PMF)が、同じシーア派の大国イランの支援を受け、勢力を拡大してきた。この幹部はその一員だ。3日に革命防衛隊のソレイマニ司令官と同時に殺害されたムハンディス氏はPMFの指導者だった。PMFにはまだ「復讐(ふくしゅう)」を遂げていないとの思いが強い。

 今回の攻撃の声明は出ていないが、復讐を開始した可能性がある。

 イランとイラクはかつては宿敵同士だったが、2003年に始まったイラク戦争でフセイン政権が崩壊し、シーア派が主導する政権が誕生。イランとの距離を急速に縮めた。

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