仕掛け続けた個の勝負 静学の技術、前回王者のみ込む
岩佐友 吉田純哉
(全国高校サッカー決勝 静岡学園3―2青森山田)
静岡学園のMF小山にはドリブルのコースが見えていた。左サイドでボールを持つと、細かいタッチで青森山田の2人の間に切り込む。慌てた相手が反則で止めた。そうして得たFKから後半40分の決勝点は生まれた。「何度も仕掛けて相手を疲れさせていたので、かわせる自信があった」。磨き続けた技術が前回王者を上回った瞬間だった。
前半は相手のロングボール主体の攻撃に受けに回ってしまった。大きくクリアしたボールを拾われ、また攻め込まれるという悪循環から2点を失った。
「こんなのは静学じゃない」。ハーフタイムに川口監督は喝を入れた。選手交代で中盤の構成を変え、選手間の距離を短くするよう指示。テンポのいいパス交換とサイドの突破を生かした攻撃をよみがえらせた。
後半から入ったMF草柳のドリブル突破から、同16分にFW加納が同点弾。その後も1対1で仕掛け続けた。青森山田のDF神田は「こんなに個で攻めてくる相手はいない。苦しかった」。打ち続けたボディーブローが相手の体力と精神を削り、逆転ゴールの布石となった。
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