イランが恐れた信用失墜 誤射公表から透ける責任転嫁

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テヘラン=杉崎慎弥 ニューヨーク=藤原学思 モスクワ=石橋亮介
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 テヘランで乗員乗客176人全員が命を落とした墜落事故をめぐり、イランがミサイルの誤射が原因だと認めた。イランが責任を認めるのは異例だが、関係各国の思惑も透ける。

 「米国の危険性のある攻撃に対して自国を防衛するためだった」

 ロハニ大統領は11日、誤射を認める一方で、米国が生んだ緊張関係が大惨事を引き起こしたとの立場を強調した。

 「技術的問題の可能性が高い」としてきたイランが前言を翻して、間違いを認めるのは極めて異例だ。イラン政府関係者は「遅かれ早かれブラックボックスを解析すれば事実が明らかになる。それまで誤射を否定し続ければ、イランの信用が失われる」と話す。

 また、最高指導者ハメネイ師の決断が、誤射の公表につながったとみられる。

 革命防衛隊と近いイランのファルス通信によると、ハメネイ師とロハニ大統領は10日朝、革命防衛隊から「墜落原因は(イラン側の)人的ミスによるものだった」として、誤射を示す内容の報告を受けていたという。ハメネイ師は数時間後には、イランの外交政策を統括する最高安全保障委員会に臨時会議の招集と、精査した上で原因を公開するように命令。同日夜に政権幹部らによる会合が開かれ、声明公表が合意されたという。

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 ただ、イランは国際社会や国…

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