水俣病をめぐる問題について、全国の研究者や市民らが議論する第15回水俣病事件研究交流集会が11日、熊本県水俣市で2日間の日程で始まった。同日は教育現場で水俣病と向き合ってきた元教諭や、現在係争中の訴訟の関係者らが、参加した市民ら約170人と意見を交わした。

 元高校教諭で、熊本学園大学水俣学研究センター客員研究員の石井雅臣さん(67)は「教育と水俣病事件」をテーマに報告し、水俣高校に赴任した1980年の前後を振り返った。

 82年ごろ、担任したクラスのホームルーム。女子生徒の一人が席を立ち、足を震わせ、語り始めた。姉が水俣病で寝たきりだったこと。手足も不自由で、母が時間をかけてご飯を食べさせ、風呂に入れていたこと。21歳で亡くなったこと。そして呼びかけた。「お姉ちゃんを殺したチッソが憎い。みんな水俣病を正しく理解して下さい」

 翌日、高校生時代に患者支援に…

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