「人の思い」も読み取る ラスベガスで見たクルマの未来

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ラスベガス=千葉卓朗
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 米ラスベガスで10日まで開かれた世界最大級の技術見本市「CES」では、今年も自動車関連の展示が目立った。会場を歩き、「クルマの未来」を探した。

箱形の自動運転車

 あちこちで目についたのが「箱形」の自動運転車だ。完成車メーカーだけでなく、自動車部品メーカーも続々と展示。どれも似た形だが、実用化に向けた進展には差がある。

 自動車部品大手の独コンチネンタルは、自動運転の電動車「CUbE」を展示。全長約4メートル、幅約2メートル、高さ3メートルの箱形で車内に6席あり、最大乗車人数は15人。ドイツや米国など世界各地で実証実験を続けている。

 CUbEのベースとなる自動運転車は、同社と一緒に出展するフランスの自動運転ソフトウェア会社「イージーマイル」が開発した。2014年設立のベンチャー企業だが、これまで世界各国の自治体や企業に自動運転車と運行システムを提供。スウェーデンでは同社の自動運転車が公共バスとして公道を走り、シンガポールやドイツでは大学や病院の敷地内を運行している。「箱形」の自動運転車をリードする存在だ。

人の移動も、配送も

 仏自動車部品メーカーのヴァレオは、配達用の箱形自動運転車を展示。中国の出前サービス大手「美団点評」と協業し、客がネットで注文した商品を自動運転で自宅に届ける計画で、早ければ22年にも実用化する見通しだ。

 ヴァレオは、「ライダー(LiDAR)」と呼ばれるセンサーやカメラ、モーターなど自動運転EVの主要部品を量産しており、客の要望に応じた自動運転車を提案できるのが強みだ。同社の武内稔ジャパンチーフテクノロジーオフィサーは「販売実績がある製品を使うことで、自動運転実用化のスピードも速まる」と話す。

 自動運転はここ数年注目を集め、CESでも自動車大手による展示が目立っていた。ただ、個人が乗る乗用車の分野では、18年に米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズの自動運転車が死亡事故を起こすなど安全性への不安も広がり、「盛り上がりは落ち着きつつある」(自動車部品メーカー)。

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 一方、「箱形」は、バスなど…

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