ウルトラマンに託した琉球人の心 上原正三さん死去

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構成・今井邦彦

 「帰ってきたウルトラマン」を始めとするウルトラシリーズや「秘密戦隊ゴレンジャー」などの特撮、「ゲッターロボ」などのアニメを数多く手がけてきたシナリオライターの上原正三さんが2日、亡くなった。子供向け番組の中でも戦争や差別の問題に正面から向き合った上原さんは、沖縄県の出身だ。亡くなる8日前、朝日新聞の首里城火災についてのインタビューを受け、故郷への思いを語っていた。

 昨年10月31日に起きた首里城の火災は、テレビのニュースで見ました。ショックを受けたのと同時に、特撮映画のシーンを見ているような気持ちになりましたね。あんなにも簡単に燃えてしまったことが、現実に思えなくて……。

 私には、1945年の戦火で焼失する前の首里城の記憶があります。父は警察官で、私が5歳ぐらいのころに首里署長をしていました。姉たちに連れられて、何度か城にも行っています。もちろん、再建建物のようにキラキラとはしておらず、長年の風雪に耐えた古びた建物でした。本土の城のような戦闘のための施設というよりも、来客をもてなすサロンのような場所だという印象があります。

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 終戦前年の44年にいったん…

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