「逃亡以外の選択肢なかった」ゴーン被告、批判と恨み節

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ベイルート=高野遼 石原孝
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 ゴーン前会長は会見予定時間の10分前の8日午後2時50分(日本時間8日午後9時50分)ごろ、赤系のネクタイを締めた黒っぽいスーツ姿で、妻キャロルさんとベイルートにある会見場に入った。室内を埋めた100人以上の報道陣を見渡し、笑みを浮かべた。

 質疑応答に先立ち、ゴーン前会長は1時間以上にわたり、身ぶり手ぶりをまじえ、険しい表情で自らの声明を述べ続けた。「検察官から『あなたが自供すればすぐに終わる。自供しないなら、家族も追い回すことになる』と繰り返し言われた」と述べるなど、東京地検特捜部への批判を繰り返した。

 逃走した理由については、「非人道的な扱いを受け、私自身と家族を守るためには、(逃亡する以外の)選択肢がなかった」と説明。「生涯において最も難しい決断だったが、有罪率が99・4%にも上る(日本の)司法制度の中に私が直面していたことを忘れないでほしい」「日本で死ぬか出国するべきか(考えた)」とも述べ、保釈中に逃走した自身の行動を正当化してみせた。

 ゴーン前会長は、音響装置の箱の中に隠れるなどして日本からプライベートジェットで不法に出国したとされているが、「あなた方が(逃走方法に)興味を持っているのは分かるが、日本からどうやって出国できたのかを語るためにここにいるのではない」と述べるにとどめた。

 また、日産自動車の複数の幹部名をあげ、「事案の陰謀の裏には(彼らが)いる」と述べたが、詳細は明かさなかった。「私は、誰もできなかった会社(日産)の再建を果たした。私に関する20冊以上の本も執筆された。それなのに突然、少数の検察官と日産幹部が『冷たくて、貪欲(どんよく)で、独裁者だ』と言ったんだ」と恨み節を見せた。

 ゴーン前会長はスクリーンに映し出された文章をもとに説明を終えると、休憩に入り、妻のキャロルさんと抱き合ったり、口づけを交わしたりした。その後、各国の報道陣が質問を求めると、「できる限りの質問に答えたい」と語り、自ら仕切り始めた。

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