説得力に欠けたゴーン被告、なぜ裁判逃げた 記者の視点
司法担当・根津弥
ゴーン前会長は会見で、日本で起訴された罪について改めて無罪を主張し、事件は日産や検察の「陰謀」だと強く主張した。だが、無罪を示す具体的な証拠や書面が示されることはなく、従来の主張の繰り返しに終始した。疑念を払拭(ふっしょく)するまでの説得力には欠けていたと言わざるを得ない。
事件は国内外で注目されており、世界的経営者として知られる前会長が裁判で語る内容も大きく報じられたはずだ。日本の司法制度に問題があり、検察の捜査は「違法」と言うのなら、公開の法廷で堂々と主張すべきだった。「裁判で無実を証明する」と主張しながら保釈条件を破り、不正な手段で海外に逃亡した前会長の言葉を、額面通りに受け取るわけにはいかない。
自身の主張に自信があるのならなおのこと、なぜ正面から裁判で闘わずして海外に逃げたのか。強く疑問が残る。(司法担当・根津弥)
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