ハマのメリーさんを追う 伝説の娼婦はなぜ町から消えた

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小泉信一
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 昭和のハマっ子なら誰でも知っていた「ハマのメリーさん」。伊勢佐木町や馬車道あたりでその姿を見かけてはいても、いったいどういう人なのか、詳しく知る人は少なかったようです。いつしか元号は平成から令和に。遠くなりつつある彼女の面影を、港町であらためて追いました。

近づくほど遠ざかる実像

 姿を見かけた人は数え切れない。写真も残っている。だが彼女は一体なんだったのだろうか。実像に迫ろうとするほど遠ざかってしまう。

 全身白ずくめで横浜市の街角に立っていた娼婦(しょうふ)「ハマのメリーさん」である。「ホワイトさん」「白いお化け」「きんきらさん」と呼ばれ、都市伝説にもなった。「西岡雪子」という仮名もあった。

 米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)の近くで米兵の袖を引いていたあと、横浜に居着いたのは1960年代といわれる。だが、それ以前にも横浜に来ていたのではないだろうか。

 インテリでお金持ちそうな男性を選んでいた。「高級コールガール」という表現の方がいいかもしれない。ほかの娼婦に対しては「あなたたちとは違うのよ」というような態度で接していたそうだ。

貴族のようなドレス

 横浜に住む私の叔母(70)がメリーさんを見たのは65年ごろ。元号でいえば昭和40年ごろである。横浜駅西口にある高島屋に買い物に行ったとき、エレベーターから突然降りてきたという。

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 「貴族のようなドレスに身を…

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